
2026.05.21
最新型のiPhoneに買い替えるのを我慢して、そのお金でアップル株を買う
こんにちは。サーフボード社長の北野です。 皆さんは、「NISA貧乏」という言葉を聞いたことがありますか? ブルームバーグの記事では、NISA貧乏について次のように説明されています。 「NISA貧乏とは、この非課税制度を最大限に活用するため、若者を中心に所得を過度に投資に回し、他の消費を控えて、日々の生活が苦しくなるという状況を指している。」 (出典:ブルームバーグ記事より) 最近、ある投資家の方の配信を聞いていて、この「NISA貧乏」という言葉について非常に腑に落ちる話がありました。 それは、単に「生活が苦しくなる」という個人レベルの話にとどまらず、もっと大きな視点で見ると、実体経済と株式市場の乖離を象徴しているのではないか、という話です。 iPhoneを買わずに、アップル株を買うならば 例えば、少し極端な例ですが、最新型のiPhoneに買い替えるのを我慢して、そのお金でアップル株を買う人が増えたとします。 本来であれば、そのお金は商品やサービスの購入、つまり「消費」に使われるはずでした。 しかし実際には、消費ではなく投資に回る。 すると何が起きるでしょうか。 企業の商品は以前ほど売れなくなるかもしれません。つまり、実体経済の側では消費が少しずつ弱くなっていく可能性があります。 一方で、株式市場には投資資金が流れ込み続けるため、株価は上がっていく。 つまり、消費は縮小しているのに、株価は上がるという現象が起こり得るわけです。 もちろん、日本国民全員がNISAに全振りしているわけではありませんので、これはやや大げさな例かもしれません。 それでも、「貯蓄から投資へ」という大きな流れの中で、消費よりも投資が優先される人が増えていけば、実体経済と株式市場のズレは少しずつ広がっていくのではないかと感じます。 実体経済と株式市場の「乖離」 現在、世の中には実体経済にとってマイナスに見えるニュースが数多くあります。 地政学的なリスク、物価高騰、原油価格の上昇、人件費の増加など、企業経営や生活にとって決して楽観できる環境ではありません。 それにもかかわらず、株式市場は力強い動きを見せることがあります。 もちろん、直近では生成AIや半導体関連企業が相場を牽引しているという面もあります。企業業績の成長期待や、インフレによる名目GDPの拡大が株価を押し上げている側面もあるでしょう。 ただ、もっと長期的な視点で考えると、株価の上昇にはもう一つの要因があるように思います。 それが、インデックス投資への継続的な資金流入です。 株価の決まり方を非常に単純化すれば、「買いたい人が多ければ上がり、売りたい人が多ければ下がる」と言えます。 この前提に立つと、NISAを通じて毎月多くの人が日経平均やTOPIX、あるいは全世界株式やS&P500に連動する投資信託を積み立てていく場合、株式市場には継続的に資金が流れ込みます。 しかも、インデックス型の投資信託は、基本的には市場の良し悪しに関係なく、毎月一定額が機械的に買われていきます。しかし、その中身(どのような銘柄で構成されているのか)を理解している人は1割もいないかもしれません。 つまり、景気が悪くても、物価高で生活が苦しくても、消費が冷え込んでいても、企業業績が悪くなっても株式市場には淡々と資金が入り続ける。 その結果、実体経済の強さ以上に株価が押し上げられ、実体経済と株式市場の乖離がさらに大きくなっていく可能性があるのではないか。一方で乖離はどこかで収斂するとも考えられます。 この見方には、非常に考えさせられるものがありました。 投資ブームの先にあるもの SKハイニクスとサムスン電子に引っ張られる形で韓国総合株価指数は直近1年程度で3倍ほどになっています。 そんな韓国では投資ブームがさらに過熱して「借金投資」ブームまで起きているようです。 総合指数と言いながら毎日5%も上下するのは異常な様相にも思えます。そして、株価が上がりきったところで、いざ「これ以上買う人」がいなくなった時、あるいは何らかのきっかけで資金流入が止まった時、 その反動は非常に大きなものになるかもしれません。 投資は悪ではない。ただし、過熱には注意が必要かもという話でした。








